2Dにおける基礎的な使い方を示します
- 〈ツール〉メニューの《オーガナイザ...》を選択します。
- 開いた【オーガナイザ】ウィンドウの『シートレイヤ』タグをクリックします。
- 左下にある『新規...(N)』ボタンをクリックします。
- 【シートレイヤの作成】ウィンドウがひらくので「提出用プリント原稿頁01」等の適当な名前をつけて、『OK』ボタンをクリックします。*1
- 【オーガナイザ】ウィンドウに、今作った『提出用プリント原稿頁01』の名前がリストに表示されているので、それを選択し、ダブルクリックするか、下部左から二番目の『編集...(E)』ボタンをクリックします。
- 開いた【シートレイヤの編集】ウィンドウの『用紙設定...(P)』ボタンをクリックします。
- 【用紙設定】ウィンドウが開くので、『プリンタ設定』ボタンをクリックします。
- 【プリンタ設定】ウィンドウが開くので、お使いのプリンタ接続環境に応じて、出力する用紙サイズ、方向、拡大率等、を設定して『OK』ボタンをクリックする。
- 【用紙設定】ウィンドウに戻るので、右側の〈用紙の大きさ〉の『サイズを選択』チェックをONにし、〈サイズ:〉プルダウンメニューから《単用紙》を選択します。
- 左側の〈用紙の枚数〉が〈横:〉〈縦:〉ともに「1」になり、右側の〈用紙の大きさ〉の〈ヨコ:〉〈タテ:〉寸法が、プリンタ設定で指定した用紙サイズに変わっていることを確認し、【用紙設定】ウィンドウの『OK』ボタンをクリックします。
- 【シートレイヤの編集】ウィンドウに戻るので、〈DPI:〉の覧をプリンタの解像度に合せた値に修正します。
- 〈原点〉の値は〈X:〉〈Y:〉ともに「0」のままで問題ないので、『OK』ボタンをクリックし【シートレイヤの編集】ウィンドウを閉じます。
- 【オーガナイザ】ウィンドウの『OK』ボタンをクリックすると、今作った『提出用プリント原稿頁01』のレイヤが表示されているはずです。
尚、シートレイヤは名前は「レイヤ」でも、今まで作図していたレイヤと違い、何枚も重ねて見ることは出来ません。デザインレイヤは「トレペ」、シートレイヤは「青焼き」と考えるといいかもしれません。
また、スケールは常に「1:1」です。スナップグリッドを5mm〜10mm、レファレンスグリッドを50mm〜100mmに設定しておくと使い易いと思います。
- 〈ビュー〉メニューの《ビューポートを作成...》を選択します。
- 開いた【ビューポートを作成】ウィンドウの各項目を設定していきます。必須設定項目は〈レイヤ...:〉〈2次元図形を表示〉〈クラス...:〉〈縮尺:〉の4カ所です。
尚、設定内容は後から【データパレット】で変更できます。
- まず、〈名前:〉覧は最初は特に触る必要ありません。〈シートレイヤ:〉覧は今開いている『提出用プリント原稿頁01』になっているはずです。
- 〈レイヤ...:〉ボタンをクリックします。
【ビューポートレイヤを表示/隠す】ウィンドウが開きます。各レイヤの表示(プリント)方法を設定にしますが、スケールが異なるレイヤは同時には表示できません。ビューポートはスケールごとに別々に作成します。
また、3D表示してるレイヤの混在も出来ません。ビューポートは3Dを見るアングル、投影方法などにより、別々に作成します。
すなわち、一つのシートレイヤ上に沢山のビューポートが出来るのですが、今は、とりあえず、2Dの一般図面ひとつだけをプリントすることを考えます。
- 〈2次元図形を表示〉チェックボックスをONにして下さい。
- 〈クラス...:〉ボタンをクリックします。【ビューポートクラスを表示/隠す】ウィンドウにて各クラスの表示方法を設定します。最初は全てONで問題ないと思いますが、捨て線用のクラス等を設定している場合はOFFにします。
- 〈縮尺:〉はプルダウンメニューから選択します。元の図面を描いたレイヤのスケールに関係なく、プリントアウトしたいスケールを設定します。
メニューにない縮尺、たとえば「1:30」等にしたい場合は、メニューから《カスタム》を選択すると次の〈カスタム 1:〉覧が入力可能になりますので、『30』と記入すれば設定できます。
- あと、〈3Dを見る:〉覧は《2Dへ戻る》、〈レンダリング:〉覧は《ワイヤーフレーム》、〈投影の方法:〉は《2D平面》になっていることを確認して、『OK』ボタンをクリックします。
- 出来上がったビューポート図形が、シートレイヤである『提出用プリント原稿頁01』の上にできて図面が表示されているはずですが、スケールが間違っていたり、元の図面を描いたレイヤの描画エリア外の離れた位置に余分な図形等が描いてあると、原点から遠くはなれた位置に表示されたり、非常に微小に表示されたりしますので、データパレットを使って見直しましょう。
- ビューポート図形は、他の図形と同じように、ドラッグ移動、複製、回転、反転、他のシートレイヤへのコピーペーストなどが可能です。プリントアウトすることを考えて、用紙上の位置レイアウトを調整します。
- ここから、このまま〈ファイル〉メニューの《プリント...》を選択すれば、とりあえずの「ビューポートの使い方」第1段階終了ですが、これだけなら2Dでビューポートを使うメリットがあまりありません。
さて、前回の「ビューポートを作成する」に続く今回は「ビューポートを使う」です。
HELPだけでは何のことかわからないようなことが多いのですが、以下の4点のポイントを押さえれば、使いこなすことが可能です。
1.シートレイヤと図面枠等
- 前回のステップでお分かりになったと思いますが、ビューポートはシートレイヤという縮尺1:1で透過性の無いレイヤ上に作成されます。
シートレイヤは、一つのファイルの中にいくつでも作成でき、それぞれにプリンタ設定、用紙サイズ指定が可能です。つまり、A1でプリントしたいデータも、A3でプリントしたいデータも、一つのファイルの中に混ざっていて問題ないと言うことです。
設計製図しているときは用紙の大きさ等は頭から外して、最後に提出用の図面サイズを決めればいいと言う考え方です。
- 同じ図面データでも、提出先により出力サイズを変えたい場合でも、A1でプリントしたい場合はA1設定のシートレイヤを作成し、他にA3で出力したい場合はA3設定のシートレイヤを追加します。
また、シートレイヤはスケールが1:1であり、常に2D表示であることを除けば、他のデザインレイヤと同じように、何でも作図描画が可能です。
- 図面用紙枠、タイトル覧、社名、工事名等、スケールが原寸の物は直接シートレイヤ
に書き込むことが考えられます。これについては、使いながら工夫して下さい。
私の場合、様式が決まっている役所等に提出する書類に図面を入れ込む場合等に、書
式原本をスキャンして、直接シートレイヤに取り込んでいます。
2.縮小拡大出力/プロバティ
ビューポートは、それぞれに縮尺の設定が可能です。デザインレイヤで設計製図して
いるときは提出時の縮尺等は頭から外して、最後に出力スケールを決めればいいと言
う考え方です。
一旦A1で1/100スケールで印刷した図面を、A3で1/200に縮小して提出したい場合も
あります。
その方法を以下に記述します。
- まず〈ツール〉メニューの《オーガナイザ...》から【オーガナイザ】ウィンドウを開きます。
- 『シートレイヤ』タグをクリックし、先にプリントした1/100スケールA1図面のシートレイヤを選択します。
- 下の左から3番目の『複製...(N)』ボタンをクリックすると、複製されたシートレイヤがリストに表示されます。
- 新しいシートレイヤ名をダブルクリックするか、下の左から2番目の『編集...(N)』ボタンをクリックします。
- 開いた【シートレイヤの編集】ウィンドウの『用紙設定...(P)』ボタンをクリックします。
- 【用紙設定】ウィンドウが開くので、『プリンタ設定...』ボタンをクリックします。
- 【プリンタ設定】ウィンドウが開くので、用紙サイズを「A1」から「A3」に変更して『OK』ボタンをクリックします。
- 左側の〈用紙の枚数〉が〈横:〉〈縦:〉ともに「1」にであり、右側の〈用紙の大きさ〉の〈ヨコ:〉〈タテ:〉寸法が、A3用紙サイズに変わっていることを確認し、【用紙設定】ウィンドウの『OK』ボタンをクリックします。
- 【シートレイヤの編集】ウィンドウに戻るので、『OK』ボタンをクリックしウィンドウを閉じます。
- 【オーガナイザ】ウィンドウの『OK』ボタンをクリックすると、A3用紙サイズのシートレイヤに、以前のと同じ、1/100の図形がはみ出た状態で描画されているはずです。
- この1/100のビューポート図形を選択し、データパレットから、《縮尺:》覧を
〈1:200〉に編集します。
- 図形はビューポート全体の中心を基準にして縮小されるので、データパレットの左上の九つの[図形の配置]ポイント?の中心の点をクリックし、中心点の《X:》《Y:》座標覧それぞれに「/2」を追記すれば、座標値が1/2に自動計算され、正しい位置に移動します。
- 複数のビューポートがある場合は、それぞれについて上記11〜12の作業を行います。
- これで、A3サイズ1/200でのプリントが可能ですが、これだけなら、ビューポートを使うメリットは殆どありません。しかし、ビューポートには次の必殺プロバティーがあるのです。
- 縮小したビューポート図形を選択して、データパレットの一番下の《プロパティ...》ボタンをクリックします。
【ビューポートプロパティ】というウィンドウが表示され、《線の太さの倍率:》《マーカーの倍率:》《隠れ線の倍率:》《ハッチングの線の倍率:》《文字の倍率:》の設定欄があります。
つまり、縮小して文字がつぶれてしまうような場合や、ハッチの線が飛んで消えてしまうようなことが無いように、ココで補正できるのです。1/100 を 1/200に縮小した場合、文字の大きさは 1.2〜1.6 にするといいでしょう。
印刷してみてから、図面全体的に文字が小さすぎるとか、線が細すぎるとかが気になった場合、ここで一括して修正します。
また、この例で行ったように、オーガナイザでレイヤを複製すると、そのレイヤに含まれるビューポート全てが一緒に複製されるので便利です。
3.マスキング・トリミング・フレーミング枠
一つのシートレイヤにビューポートはいくつでも配置できます。例えば、各階の平面図、屋根伏図、基礎伏図、床伏図、天井伏図等を一つのファイルにレイヤを重ねて描いた場合、それぞれに必要なレイヤセットを設定したビューポートを作成し、一枚の大きな図面用紙の中に並べてプリントすることができます。それぞれの縮尺は別々に設定できます。
もし、立面図や矩計を他のファイルで描画していたら、《ファイル共有》で取り込んで、そのレイヤもビューポートに入れることができるので、小さな建物なら一枚の図面用紙に全図面を配置することも可能でしょう。
単純に同じ内容のレイヤセットを配列複製して、複数並べることも出来ます。一見意味のないことのように思われるかもしれませんが、そうでもないのです。
例えば、プリントしたい縮尺では建物の大きさが用紙に収まらない・・・で、途中を省略したい場合等。
- この場合、まったく同じビューポートを複製して、片方は用紙の上方に合せて配置し、片方は用紙の下方に合せて配置します。
- 当然2つの図形がずれて重なっているのですが、ここで一つのビューポートを選択してダブルクリックする、または《加工》メニューの(ビューポートに入る)を選択します。
- 【ビューポートの編集】ウィンドウが開きますから、〈枠〉のラジオボタンを選択して『OK』ボタンをクリックします。
- レイヤ名表示が【ビューポート枠】となり、ビューポート枠の編集モードになります。ツールパレットから《四角形ツール》を選択します。
- ビューポートの表示したいエリアを示す四角形を描画します。すると、描画した四角形からはみ出ている部分の描画は消えます。
- 複数の四角形を描いても最初の(一番下の)四角形のみが有効です。また、このフレーミングは四角形でなく、円形でも、多角形でも、曲線でもかまいません。詳しくは、HELPの「ビューポートをトリミングする」を参照して下さい。
また、この枠はそのままプリントされてしまうので、枠を表示したくない場合は、[属性パレット]で線の太さを0にして下さい。破線等にして表示することも可能です。
- 描画ウィンドウ右上に現れている『ビューポート枠を出る』ボタンをクリックして、もとのシートレイヤのウィンドウに戻ります。
- 他のビューボートも同じ手順で、表示範囲を決めていきます。
このように、どんなに大きな建物等でも、デザインレイヤ上で全体をとりあえず描いておいて、最後にシートレイヤ上で一部をカットしてして表示できるのです。
このビューポートのトリミング範囲を決めるのを【ビューポートの編集】ウィンドウでは『枠』と漢字で表示しているわけです。確かにFrame = 枠ですが、このウィンドウだけ見て何のことかイメージできる日本人はどれだけいるでしょうか(^_^;
4.書込/注釈
- 上記の【ビューポートの編集】には、もう一つ名前からはイメージがつかみにくい〈注釈(N)〉というラジオボタン項目があります。これをクリックすると、ビューポート内のスケールで図形を書き込むことが出来ます。主に全体図面の一部を拡大したビューポートを作成し、詳細な寸法等を記入するを想定している機能だと思いますが、図面のレイアウトによって記載位置の調整が必要になるような書込事項はすべてこの機能をつかって記入するという手もあります。いろいろ使いながら工夫して下さい。尚、この書込は前記のビューポート枠の外でも記入可能です。
以上で、ビューポートの基礎がつかめたと思います。
次はVWRRのHPに紹介されているビューポートとレンダリングを組み合わせた使い方へとステップアップしていって下さい。
こちらも、工夫次第で2Dでの応用がいろいろ考えられます。みなさんの使い方をHPにアップしていきましょう。
- これを参考にしてやってみます、ありがと御座います。 -- 形クリエート?