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**パントンチェアーをつくる。......2007-07-07 [#j9b7ab7f] 今回は美しいフォルムが特徴のVitra社製プラスチック一体成型品のパントンチェアのモデリングに挑戦します。 ここでは成型品の金型を作るわけではなく、添景用としての制作を目指しますので細かい点には こだわりません。外形寸法が合って非常に似ている程度のレベルですが、かなりの手間と試行錯誤が必要になると思います。 複数のモデリングが考えられますが、ここでは複数の断面を作図、NURBS曲線へ変換し多段曲面ツールで これらを結んで厚みのないNURBS曲面を作り、大きさを調整します。 次にシェルツールで厚みを設けて完成とします。 詳細に説明すると小冊子が出来てしまいそうなので、ここでは概略説明に留めます、悪しからず。 #br #ref(Section_lines.png,around,nolink) ※ 準備作業~ 1.現品がある場合~ 複数の水平切断位置を決めて形状を計測し、VectorWorksで作図しておきます。&br; 2.現品がない場合&br; 正面、側面、(平面)写真画像および仕様書から外形、座面高さ寸法を把握します。 それぞれの写真画像は編集作業で、大きさを一致させるともに、外形寸法の 1/nに調整しておくと後で編集作業が楽です。 VectorWorksの新規画面で縮尺を1/10-1/20とし、側面画像ファイルを読込みます。 必要と思われる位置に複数の切断線を描きます。(左図) 形状が急激に変化する付近には多くの切断線を記入するようにします。 こうすると比較して正しい形状を再現出来ることになるでしょう。 次に残りの画像ファイルも読込みます。 それぞれの切断位置での水平(一部斜め)断面線を想像しながら平面上に作図する ことにします。 #clear #ref(Line_figures.png,around,nolink) #br 3.水平断面線の作図 現品がない場合、12地点の断面線を正面および側面写真を参考に、推察しながら作図します。&br; #br 頂点数が極端に異なるとNURBS曲面が出来ない場合がありますので出来るだけ頂点数が少なく 同じ数となるような作図を心がけます。&br; #br 3D化後、エッジ部へ3Dフィレットを設けようとしましたが小さい値しか取れず、このモデルでは 二次元で設けておくことにします。&br; #br 出来た12地点の断面線は左図の通りです。 #clear #hr #br #ref(lotofcurves.png,around,nolink) これらの図形をNURBS曲線へ変換し、側面写真の切断線位置へ移動させます。~ #br 4番、7番の曲線は奥行を調整し45度傾けて配置します。~ #br 3D→前から見るでX=0の位置にそれぞれのNURBS曲線の中心位置が合っている&br;かと 正面写真の幅に合っているかを確認します。幅が合わない場合には大きさを調整します。 #br 図ではわかりやすいように下絵の画像を非表示としています。 #clear #hr #br #ref(MCS.png,around,nolink) #br 4.NURBS曲面の作図 多段曲面ツールの軸無しモードを選択、1番の端点から始まり12番の端点まで次々と結びます。~ チェックボックスをクリックすると「多段曲面の作成」ダイアログが表示されるので □ソリッドを作成 □元のNURBS曲線を残す にチェックを入れプレビューをクリックします。~ ネジレた曲面が表示される場合には、一部の曲線の作図方向が他とは逆になっていると 思うので、データパレットの □向きを表示 にチェックを入れると矢印で確認出来ます。~ 作図方向が逆になっていたら、その曲線を選択、「反転」をクリックしてください。 すべての曲線をチェックし、作図の向きを一致させます。 OKをクリックすると滑らかな曲面が表示されます。 画像に沿った形状ならば問題ないのですが、一部にズレや大きさが異なるなどの問題が 生じた時は各曲線の位置や大きさなどの調整が必要となり、試行錯誤しなければなりません。 NURBS曲線はコントロールが難しいと感じる場面です。 #clear #br #ref(NonChell.png,around,nolink) #br 5.大きさの調整 下絵とした画像を削除するか非表示とし、仕様書から得た幅、高さ、奥行それぞれの寸法より 厚み分、数ミリ小さい値となるようにX,Y,Z各寸法を伸縮させ調整します。 数ミリ小さい値にする理由はシェルソリッドで厚みを設ける際、-より+(大きくする)のほうが 出来やすいからです。 2D形状で小さい値のフィレットを設けてしまうと-方向へのシェルソリッドは物理的に 不可能となる場合があります。 厚みはありませんが、それらしい形状が出来ました。 ちなみにこの時点でのデータ量は約400KBとなりました。[[*Baby Room]] &new{2007-06-23 (土) 19:20:51}; #clear #hr #ref(lid.jpg,around,nolink) #br 6.背もたれ上部形状の修正~ 出来た椅子の最上部を拡大すると幅7cm面が無い部分がありますのでNURBS曲面で蓋を作図 します。&br;本当は中央部が高いのですが、無視し高さが同じ曲面とします。 7.レンダリングの確認 OPEN GLレンダリングで仮仕上がりを確認します。 レンダリングされない場合がありますので、レンダリングオプションの設定を変更して試してください。 それでもレンダリングされない場合や強制終了する場合には、意図せず問題を含んだ曲面が出来ている 可能性が高いので「補完点によるNURBS曲面」ツールを選択、表示されるダイアログのU,V方向の頂点数を 増やしOKをクリックします。再度OPEN GLレンダリングで仮仕上がりを確認します。 #br #clear #ref(Chell.png,around,nolink) #br 8.厚みを設ける シェルツールを選択し、仮に出来ている曲面をクリックするとダイアログが表示されるので 〇 外側にチェックを入れ、厚みを指定し、OKをクリックします。 ワイヤーフレーム状態で厚みがついていることを確認します。 同様に背もたれ上部曲面にも設けます。 厚みを設けたことでデータが大変重くなります。2倍のデータ量と思いきや、なんと3.6MBにもなりました。 曲面構造ではなく、中身の詰まったソリッド図形になっています。 数ミリの厚みなので無視し、データが軽いほうで十分と思われた方は7のNURBS曲面で 完成としても良いでしょう。 #clear #hr #ref(Complet.png,around,nolink) #br 9.最後にOPEN GLレンダリングで仕上がりを確認し完成です。*Baby Room &new{2007-07-07 (土) 15:35:51}; #clear
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**パントンチェアーをつくる。......2007-07-07 [#j9b7ab7f] 今回は美しいフォルムが特徴のVitra社製プラスチック一体成型品のパントンチェアのモデリングに挑戦します。 ここでは成型品の金型を作るわけではなく、添景用としての制作を目指しますので細かい点には こだわりません。外形寸法が合って非常に似ている程度のレベルですが、かなりの手間と試行錯誤が必要になると思います。 複数のモデリングが考えられますが、ここでは複数の断面を作図、NURBS曲線へ変換し多段曲面ツールで これらを結んで厚みのないNURBS曲面を作り、大きさを調整します。 次にシェルツールで厚みを設けて完成とします。 詳細に説明すると小冊子が出来てしまいそうなので、ここでは概略説明に留めます、悪しからず。 #br #ref(Section_lines.png,around,nolink) ※ 準備作業~ 1.現品がある場合~ 複数の水平切断位置を決めて形状を計測し、VectorWorksで作図しておきます。&br; 2.現品がない場合&br; 正面、側面、(平面)写真画像および仕様書から外形、座面高さ寸法を把握します。 それぞれの写真画像は編集作業で、大きさを一致させるともに、外形寸法の 1/nに調整しておくと後で編集作業が楽です。 VectorWorksの新規画面で縮尺を1/10-1/20とし、側面画像ファイルを読込みます。 必要と思われる位置に複数の切断線を描きます。(左図) 形状が急激に変化する付近には多くの切断線を記入するようにします。 こうすると比較して正しい形状を再現出来ることになるでしょう。 次に残りの画像ファイルも読込みます。 それぞれの切断位置での水平(一部斜め)断面線を想像しながら平面上に作図する ことにします。 #clear #ref(Line_figures.png,around,nolink) #br 3.水平断面線の作図 現品がない場合、12地点の断面線を正面および側面写真を参考に、推察しながら作図します。&br; #br 頂点数が極端に異なるとNURBS曲面が出来ない場合がありますので出来るだけ頂点数が少なく 同じ数となるような作図を心がけます。&br; #br 3D化後、エッジ部へ3Dフィレットを設けようとしましたが小さい値しか取れず、このモデルでは 二次元で設けておくことにします。&br; #br 出来た12地点の断面線は左図の通りです。 #clear #hr #br #ref(lotofcurves.png,around,nolink) これらの図形をNURBS曲線へ変換し、側面写真の切断線位置へ移動させます。~ #br 4番、7番の曲線は奥行を調整し45度傾けて配置します。~ #br 3D→前から見るでX=0の位置にそれぞれのNURBS曲線の中心位置が合っている&br;かと 正面写真の幅に合っているかを確認します。幅が合わない場合には大きさを調整します。 #br 図ではわかりやすいように下絵の画像を非表示としています。 #clear #hr #br #ref(MCS.png,around,nolink) #br 4.NURBS曲面の作図 多段曲面ツールの軸無しモードを選択、1番の端点から始まり12番の端点まで次々と結びます。~ チェックボックスをクリックすると「多段曲面の作成」ダイアログが表示されるので □ソリッドを作成 □元のNURBS曲線を残す にチェックを入れプレビューをクリックします。~ ネジレた曲面が表示される場合には、一部の曲線の作図方向が他とは逆になっていると 思うので、データパレットの □向きを表示 にチェックを入れると矢印で確認出来ます。~ 作図方向が逆になっていたら、その曲線を選択、「反転」をクリックしてください。 すべての曲線をチェックし、作図の向きを一致させます。 OKをクリックすると滑らかな曲面が表示されます。 画像に沿った形状ならば問題ないのですが、一部にズレや大きさが異なるなどの問題が 生じた時は各曲線の位置や大きさなどの調整が必要となり、試行錯誤しなければなりません。 NURBS曲線はコントロールが難しいと感じる場面です。 #clear #br #ref(NonChell.png,around,nolink) #br 5.大きさの調整 下絵とした画像を削除するか非表示とし、仕様書から得た幅、高さ、奥行それぞれの寸法より 厚み分、数ミリ小さい値となるようにX,Y,Z各寸法を伸縮させ調整します。 数ミリ小さい値にする理由はシェルソリッドで厚みを設ける際、-より+(大きくする)のほうが 出来やすいからです。 2D形状で小さい値のフィレットを設けてしまうと-方向へのシェルソリッドは物理的に 不可能となる場合があります。 厚みはありませんが、それらしい形状が出来ました。 ちなみにこの時点でのデータ量は約400KBとなりました。[[*Baby Room]] &new{2007-06-23 (土) 19:20:51}; #clear #hr #ref(lid.jpg,around,nolink) #br 6.背もたれ上部形状の修正~ 出来た椅子の最上部を拡大すると幅7cm面が無い部分がありますのでNURBS曲面で蓋を作図 します。&br;本当は中央部が高いのですが、無視し高さが同じ曲面とします。 7.レンダリングの確認 OPEN GLレンダリングで仮仕上がりを確認します。 レンダリングされない場合がありますので、レンダリングオプションの設定を変更して試してください。 それでもレンダリングされない場合や強制終了する場合には、意図せず問題を含んだ曲面が出来ている 可能性が高いので「補完点によるNURBS曲面」ツールを選択、表示されるダイアログのU,V方向の頂点数を 増やしOKをクリックします。再度OPEN GLレンダリングで仮仕上がりを確認します。 #br #clear #ref(Chell.png,around,nolink) #br 8.厚みを設ける シェルツールを選択し、仮に出来ている曲面をクリックするとダイアログが表示されるので 〇 外側にチェックを入れ、厚みを指定し、OKをクリックします。 ワイヤーフレーム状態で厚みがついていることを確認します。 同様に背もたれ上部曲面にも設けます。 厚みを設けたことでデータが大変重くなります。2倍のデータ量と思いきや、なんと3.6MBにもなりました。 曲面構造ではなく、中身の詰まったソリッド図形になっています。 数ミリの厚みなので無視し、データが軽いほうで十分と思われた方は7のNURBS曲面で 完成としても良いでしょう。 #clear #hr #ref(Complet.png,around,nolink) #br 9.最後にOPEN GLレンダリングで仕上がりを確認し完成です。*Baby Room &new{2007-07-07 (土) 15:35:51}; #clear